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公取委 フリーランス法違反の疑いで45事業者に行政指導

2025/04/21

 公正取引委員会は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下「フリーランス・事業者間取引適正化等法」)の施行後、同法に違反する疑いのある行為を行っている事業者やその業種に関する情報収集を積極的に行っているが、このほど、フリーランスとの取引が多い業種であるゲームソフトウェア業、アニメーション制作業、リラクゼーション業、フィットネスクラブの事業者について集中的に調査を行った結果、45名の事業者に対して、契約書や発注書の記載、発注方法、支払期日の定め方等の是正を求める指導を行った。

指導の対象となった主な事例は次のとおり。

・ゲームソフトウェア業を営むA社は、特許関連の業務を特定受託事業者に委託しているが、業務委託をした場合に直ちに明示が必要な事項のうち、給付を受領する期日を明示していなかった。

・ゲームソフトウェア業を営むB社は、オンラインゲームのイラスト制作を特定受託事業者に委託しているが、既に給付を受領していたにもかかわらず、給付を受領する期日及び報酬の額を明示していなかった。

・ゲームソフトウェア業を営むC社は、ゲームソフトに関する企画制作を特定受託事業者に委託しているが、業務委託をした場合に直ちに明示が必要な事項のうち、報酬の支払期日を明示していなかった。

・アニメーション制作業を営むF社は、アニメーション作品の制作業務の全部または原画の作成、音響演出等の業務を特定受託事業者に委託しているが、業務委託をした場合に直ちに明示が必要な事項のうち、検査完了日並びに報酬の額および支払期日を明示していなかった。

・リラクゼーション業を営むG社は、整体施術の業務を特定受託事業者に委託しているが、業務委託をした場合に直ちに明示が必要な事項のうち、役務の提供を受ける期日および場所を明示していなかった。また、報酬の支払期日を「翌月10日まで」と記載しており具体的な期日を特定していなかった。

・フィットネスクラブを営むH社は、パーソナルトレーニング業務を特定受託事業者に委託しているが、業務委託をした場合に直ちに明示が必要な事項のうち、報酬の支払期日を明示していなかった。また、個々の業務委託の発注時において、共通事項(基本契約書)との関連性(参照元)を明示していなかった。

・フィットネスクラブを営むI社は、グループレッスン業務を特定受託事業者に委託しているが、業務委託が開始された後に取引条件の明示を行っており、業務委託をした場合の明示を直ちに行っていなかった。

 公正取引委員会は、今後もフリーランス・事業者間取引適正化等法に違反する疑いのある行為を行っている事業者やその業種について、積極的に情報収集を行い、違反があった場合には、迅速かつ適切に対処するとしている。

 また、公正取引委員会では、中小企業庁および厚生労働省と共同で、フリーランス・事業者間取引適正化等法に違反する行為を受けたフリーランスからの申出を受け付けるオンライン窓口を設置している。引き続き、フリーランスからの積極的な申出を促すために、申出窓口の周知広報を行っていくこととしている。

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